サンプルに濃度勾配があるとNMRデータの質が落ちる 【オタワ大NMRブログ 和訳記事】

日々の仕事としてAVANCE 400のカルーセル(訳注: オートサンプラーのサンプルをさすところ) を空にする中で、一部のサンプルに濃度勾配があることに気が付きました。つまり、サンプル管の底の方が上の方よりも濃くなっているということです。このサンプルは混合されていません。こういうサンプルでは必要なクオリティを満たすNMRスペクトルは取れないでしょう。ではなぜとれないか?それは、分光器が測定ごとに行うグラジエントシムが、サンプル管全体の重水素濃度の磁気共鳴画像(訳注: MRI)を使っているからです。もし溶媒の濃度がサンプル管内で一定でない場合、重水素を使ったグラジエントシミングがうまく機能せず、分解能が悪いスペクトルが得られることになります。実際、ロック信号をもとにマニュアルシミングを行った場合でも分解能が悪いスペクトルが得られます。

サンプルをよく混ぜて、いいデータを得ましょう。


Original title: A Concentration Gradient Across Your Sample Leads to Poor NMR Data
11:02 AM, TUESDAY, SEPTEMBER 4, 2007.

References:
Glenn Facey, University of Ottawa NMR Facility Blog: A Concentration Gradient Across Your Sample Leads to Poor NMR Data, http://u-of-o-nmr-facility.blogspot.com/2007/09/concentration-gradients-across-tour.html (accessed 2023-06-09).

この記事はGlenn Facey氏の許諾のもとUniversity of Ottawa NMR Facility Blogの記事を和訳しているものです。

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