分解能の向上 【オタワ大NMRブログ 和訳記事】

部分的に分離したマルチプレットや化学シフトがある時、フーリエ変換前に自由誘導減衰(FID)を指数関数やガウス関数で処理することで、スペクトルの分解能を向上させることができます(訳注: 専門的にはこの操作はApodizationといい、用いる関数のことをウィンドウ関数と呼びます)。下図の上はベンゼン-d5 (C6D5H)の1H NMRスペクトルです。下の方は、同じデータをガウス関数と指数関数を合わせた関数でFIDを処理した後のスペクトルです。分解能を向上させた後のスペクトルのシグナルは、H-Dカップリングから推定される1:2:3:2:1のマルチプレットを示しています。分解能の向上はS/N比や定量性を犠牲にしています。

TOPSPINかXWINNMRを使えば、以下に従うことで自分のデータに対しても簡単にこの処理を行うことができます。

“lb -1” (lbをマイナス方向に大きくするほど分解能が上がります)
“gb 0.4” (gbは0から1の間をとるパラメータで、大きいほど分解能が上がります)
“gm” (ガウス関数で重み付けしたFIDを計算するコマンドです)
“ft” (フーリエ変換をするコマンドです)
“apk” (適切に位相補正を行うコマンドです。場合によっては手動での位相補正が必要なこともあります)

自分のデータを色んな”lb”, “gb”値で処理することで、どのようなことができるのかがわかります。

より詳しく知るためには、オンラインのTOPSPINマニュアルを読むか、CHM 4380/8309B(訳注: おそらくオタワ大の授業)を受けてください。

(訳注: iNMRでのApodizationはこのサイトで詳しくわかります)


Original title: Resolution Enhancement
8:22 AM, FRIDAY, SEPTEMBER 14, 2007.

References:
Glenn Facey, University of Ottawa NMR Facility Blog: Resolution Enhancement, http://u-of-o-nmr-facility.blogspot.com/2007/09/resolution-enhancement.html (accessed 2023-06-13).

この記事はGlenn Facey氏の許諾のもとUniversity of Ottawa NMR Facility Blogの記事を和訳しているものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です