“University of Ottawa NMR Facility Blog”の日本語版を作ります

近年の有機化学にとって、NMRは必要不可欠な分析手法です。しかしながら、NMRの原理などを深く理解するのはかなり大変で、多くの学生は「なんかよくわからんけどはかれる」「1Hと13Cぐらいなら測れる」ぐらいの感じでやっていると思います(というか昔の僕がその程度で、実際それでなんとかなるところもあります)。NMRについての知識をつけるためにやることとしては、成書1を参照するのもかなりおすすめですが、信頼できるネットの情報を参考にするのも随分役立ちます。NMRの研究者(あるいは設備管理者)がNMRについての知識を紹介するブログはいくつかあるのですが、その中でも表題のUniversity of Ottawa NMR Facility Blog2は実データも交えた短くキレある投稿が魅力的なサイトとなっており、僕も一人のファンとしてネットサーフィンの合間に度々訪問していました。一方、英語のサイトですので日本の学部生~大学院生にとっては障壁が高いのも事実であり、いいサイトなのにそこまで認知されていないなと感じていました。

この度、ブログの管理者であるGlenn Faceyさんにコンタクトを取ったところ、一定の条件下ですべて和訳してよいとの許諾を受けましたので、Chemistry Wednesdayで和訳し公開することとしました!今のところは、古い投稿から順に溶液NMRをメインとしてかいつまんで投稿するつもりです。正確な訳を心掛けますが、万が一間違いやミスリードな表現があればコメントなどでお伝えいただけると嬉しいです。

めちゃくちゃ数ある(395記事ある)ので全部和訳するのは相当時間がかかりそうですが、頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします!

References

  1. 最近参考にしているのは、(a) 竹内敬人; 加藤敏代, よくある質問 NMRの基本; 講談社, 2012. (b) 福士 江里, よくある質問 NMRスペクトルの読み方; 講談社, 2015. (この二つは読みやすいし入手もしやすいです) (c) 竹腰 清乃理, 磁気共鳴‐NMR―核スピンの分光学 (新・物質科学ライブラリ); サイエンス社, 2011. (途中までしか読んでませんが原理について非常に分かりやすく書いている名著です。ただ絶版で入手困難です)
  2. University of Ottawa NMR Facility Blog. http://u-of-o-nmr-facility.blogspot.com/ (accessed 2023-06-07).


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です